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スクラム開発って何?

ラグビーの「スクラム」に似た開発方式

「スクラム開発」という言葉はここ近年急激にIT系開発の現場で使用されるようになった言葉です。

以前まではシステム開発といえば「ウォーターフォールモデル」もしくは「スパイルモデル」という二種類が主流でした。

先にこの2つについて簡単に説明をしていくと、「ウォーターフォールモデル」というのは文字通り水が上から下に落ちていく様子を示すものとなっており、開発に携わる手順が上流~下流に向かう様子を示しています。

もう一つの「スパイラルモデル」は逆にプロトタイピングをしながら完成を目指していくという下流~上流に向かうタイプの方法で、試作を繰り返しながら完成品に近いものを作っていくという手法を示しています。

そこで「スクラム開発」ですが、これはウォーターフォールモデルともスパイラルモデルとも異なる同時並行的な進行をする開発モデルのことを言います。

そもそもとしてウォーターフォールモデルというのは1970年代には提唱されていたというかなり歴史の長いものであるため、現在のシステム開発の場面においては適合しない部分も出てきています。

より大規模なシステム開発になると、トップダウン式のウォーターフォールモデルでは最初の企画設計どおりに進まないということも非常に多く、それがかえって開発速度を妨げることにもなっていました。

そこで新しく提唱されるようになった「スクラム開発」では、ラグビーのスクラムと同じように関係するスタッフが横一線に肩を組んで前に進むという方法をとります。

スクラム開発ではスタッフ全員で情報共有ができる

ラグビーのスクラムについて少し詳しく説明をすると、出場選手15人のうち8人がそれぞれ肩を組んで集団をつくり、肩を組み合うようにしてお互いのチームでぶつかりあいます。

8人全員でフォーメーションを作り、相手を押し上げるようにして進んでいくことから「スクラムを組む」という言葉がよく協力体制を示す時に使われます。

スクラム開発のよいところは、同じプロジェクトに関連しているスタッフ全員で情報を共有することができるということです。

ウォーターフォールモデルの場合、上から下への伝達により仕事がされていくので情報が伝言ゲームになりやすく、なかなか「一緒に仕事をしている」という意識が持ちにくくなります。

しかしスクラム開発では最初から末端の作業人員も企画に参加をすることから一人一人がチームの一員という意識を持ちやすく、自分の持ち場の進度の遅れが全体の迷惑になるということが可視化できます。

一方で一部の開発が送れることで全体の進行が遅くなるというデメリットもあるので、導入前にはしっかりスタッフ全員の意思疎通をしておくことが大切です。

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